人命救助:電車進入直前、ホームから転落の男性救助 医師ら5人連携--新宿 /東京


◇消防庁、表彰へ--大江戸線若松河田駅
 20日午前9時ごろ、新宿区若松町の都営地下鉄大江戸線の若松河田駅で、ホームから転落した男性を居合わせた医師や教員、看護師ら5人が間一髪で救助した。救助中、都庁前発光が丘行き電車(8両編成)が進入してきたが、ホームに人が上がるのを見つけた運転士がブレーキをかけて現場の2、3メートル手前で緊急停車し、男性は一命を取りとめた。医者や看護師の連携プレーをたたえ、東京消防庁は5人を表彰する。
 同消防庁によると、救助したのは近くに住む▽医師の田中宣之さん(42)▽保護監察官の中村秀郷さん(27)▽法政大教員の沼田雅之さん(36)▽看護師の山下裕子さん(30)ら。
 救助されたのは新宿区に住む51歳の男性で、ホームで突然意識を失い、線路上に頭から転落した。見つけた田中さんが線路に飛び込んだ。列車が近づく音とライトを感じて中村さん、沼田さんも次々に線路に降り、男性を抱えて急いでホームに戻った。直後に列車がホームに差し掛かり、緊急停車した。
 男性は心肺停止状態になったが、中村さんと沼田さんらが心臓マッサージ、山下さんが人工呼吸の応急処置をし一命を取りとめた。山下さんは「助けたかいがあった」と涙声で話したという。【工藤哲】

毎日新聞 2006年12月22日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokyo/news/20061222ddlk13040011000c.html